8月の国内スタートアップ発表は、金額の桁がディープテックに寄った一方で、同じ「総額」でもエクイティ・融資枠・セカンダリーが混ざるケースが目立ちました。本稿は各社のプレスリリースに書かれた内訳だけを採用し、集計メディアの再計算は参考に留めます。
対象期間:2026年8月1日〜8月31日(本稿時点)
1. 京都フュージョニアリング——シリーズD 1stクローズ、総額257.2億円
京都フュージョニアリング株式会社は2026年8月24日、シリーズDラウンド1stクローズで総額257.2億円(与信枠・融資枠を含む)を確保したと発表しました。内訳はエクイティ167.2億円、デットファイナンス合計90億円(融資枠・与信枠を含む)。累計エクイティ調達額は329.8億円、とリリースは記しています。
資金使途は、日本・カナダ・米国の3拠点で進める統合実証「UNITYプログラム」の前進と、グローバル展開です。新規のエクイティ引受先にはGX推進機構、日本政策投資銀行、JR東日本などが名前を連ねています。受注契約が140億円を超える、との自己申告も同稿にあります。独立した受注残高の第三者監査は、本稿では確認していません。
2. OptQC——シリーズA2で70億円、リードはNTT
OptQC株式会社は2026年8月25日、NTTをリードインベスターとする第三者割当増資で総額70億円(シリーズA2)を完了したとPR TIMESで発表しました。本社は東京都豊島区。資金は次世代光量子プロセッサの研究開発と人材採用に充てる、としています。NTTとの資本業務提携は本調達に先立つ2026年8月3日発表です。2030年度までに100万量子ビット級、といった目標は同社・報道の将来計画であり、達成は未確定です。シードとシリーズA1を含む累計調達額は91.5億円(獲得済み補助金を含めると200億円超)と、同社は書いています。
3. Craif——シリーズD「約53億円」は増資・融資・セカンダリー込み
Craif株式会社(東京都新宿区)は2026年8月18日、シリーズDで総額約53億円のグローバルラウンドを実施したと発表しました。創業以来のラウンド総額は約142億円(出資・融資・助成金の累計、注記2)。
同社表では、シリーズD総額約53億円のうち第三者割当増資およびセカンダリー取引が約48億円、融資が5億円です。Co-leadはGranite Integral Capitalと株式会社タウンズ。国内の尿中マイクロRNA検査の拡大と、米国でのプロダクトローンチに充てる、としています。セカンダリー約9億円を含む点は、純粋な新規資金と分けて読む必要があります。
4. e-dash——三井物産など5社から33億4,200万円
e-dash株式会社(東京都港区)は2026年8月31日、三井物産、JA三井ストラテジックパートナーズ、ウエストホールディングス、信金キャピタル、中電環境テクノスの5社を引受先とする第三者割当増資で、総額33億4,200万円を調達したと発表しました。CO₂可視化・削減プラットフォームの開発・運営が本業です。増資以外のデットは、同稿の主文では中心になっていません。
5. そのほか、反応が目立った周辺話題
- Compalyzeの週次集計(8月第4週)
未上場15件のうち金額確認7件の合計約353.2億円、うち京都フュージョニアリングとOptQCが大半、と株式会社Compalyzeが8月31日に発表しています。集計定義は同社Journalにあり、各社一次発表の内訳と完全一致するとは限りません。
今月の読み方
「何億円調達」の見出しだけでは、エクイティなのか融資枠なのかセカンダリーなのかが落ちます。8月は核融合と光量子が桁を引っ張り、バイオと脱炭素は内訳を併記する発表が続きました。IPOの大型案件は、今回の一次ソースでは本編に載せる確定材料を得ていません。
主な出典
- PR TIMES「京都フュージョニアリング」(2026-08-24)
- 京都フュージョニアリング公式(英語ニュース、2026-08-24)
- PR TIMES「OptQC シリーズA2 70億円」(2026-08-25)
- PR TIMES「Craif シリーズD 約53億円」(2026-08-18)
- PR TIMES「e-dash 総額約33.4億円」(2026-08-31)
- PR TIMES「Compalyze 8月第4週集計」(2026-08-31)


