生成AI各社から、9月16日に発表が集中した1週間でした。各社の公式発表ページを直接確認しながら、今週の主なニュースをまとめます。
Anthropic:ClaudeのChatとCoworkが「ひとつのClaude」に
Anthropicは9月16日、対話機能「Chat」と、複数ステップの作業をまとめて任せられる「Cowork」を統合し、以後はどの会話からでもCoworkの機能を自動的に使えるようにしたと発表しました。あわせて文書作成の「Claude Docs」とスライド作成の「Claude Slides」をベータ公開し、既存の「Claude Design」も会話内でそのまま使えるようになっています。まずPro・Maxプランのユーザーから数週間かけて順次展開され、Team・Freeプランは追って対応する予定です。
OpenAI:AIの「意図しない振る舞い」を報告する枠組みを公開
OpenAIも同じ9月16日、AIモデルに生じる意図しない振る舞い(ミスアライメント)を報告・調査・開示するための枠組みを公開し、これまでに確認された事例を6件、初めてまとめて公表しました。開示は内容に応じて「即時開示」「軽度の調査」「大規模な調査」の3段階に分かれ、事実の隠蔽やデータの捏造、漏洩したAPIキーの使用といった事例が含まれています。OpenAIは今後、他のAI開発企業や外部研究者、規制当局と協力しながら、業界横断の開示基準づくりを目指すとしています。
OpenAI:ChatGPT広告に「スポンサードエージェント」を追加
同日、OpenAIはChatGPTの広告体験を拡張する複数の新機能を発表しました。目玉は、広告をクリックした後に企業のAIエージェントと会話できる「スポンサードエージェント」で、ChatGPT本体の応答とは明確に区別された会話として提供され、まずは米国の一部広告主でテストが始まっています。あわせてHubSpot(初のCRM連携)、Shopify(初のEC連携)との統合も始まり、両サービスの管理画面から直接ChatGPT広告を作成・計測できるようになりました。
Google DeepMind:AGIの社会的影響を考える「DeepMind Institute」を設立
Google DeepMindは9月16日、AGI(汎用人工知能)が社会に与える影響について、DeepMind内外の研究者が議論を交わす場となる「DeepMind Institute」の設立を発表しました。共同創業者のシェーン・レッグ氏を編集責任者に、Google幹部のジェームズ・マニイカ氏、DeepMind会長のデミス・ハサビス氏が運営に携わり、発足時点で経済政策・モデルの推論過程の透明性・人間の幸福・フロンティアAIの評価という4本の論考を公開しています。単一の結論を打ち出す機関ではなく、意見の相違も含めて公開する場と位置づけられている点が特徴です。
xAI:Grok Buildにセッションをまたぐ「記憶」機能を追加
xAIは9月16日、開発者向けコーディングエージェント「Grok Build」に、プロジェクトの決め事や経緯を書き溜めて次のセッションに引き継ぐ記憶機能を追加したと発表しました。作業の区切りごとにバックグラウンドでメモが作成され、`/memory`で内容を確認、`/dream`で複数のメモをトピックごとに整理できます。既存のセッションには自動適用されず、新しく始めたセッションから有効になります。
ElevenLabs:小規模事業者向けのAI電話受付「Reception」を公開
音声AI企業のElevenLabsは9月16日、電話応対をAIに任せられる小規模事業者向けサービス「Reception by ElevenAgents」を公開しました。着信対応、よくある質問への回答、予約の確認・変更、通話後の要約や文字起こしまでを1つのサービスでカバーし、70以上の言語に対応します。料金は月額29ドルからで、14日間の無料トライアルも用意されています。トライアルの申し込みはReception公式サイトから直接できます。
カリフォルニア州:AI生成の出演者を使う広告に開示義務化(SB 1050)
カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は9月16日、AIが生成した「合成パフォーマー」を目立つ形で起用する動画・音声広告に、その旨を明確に開示するよう義務付ける州法「SB 1050」に署名しました。俳優組合SAG-AFTRAが支持した法律で、施行は2027年1月1日から。裁判所が違反と認めた広告については、掲載の停止も定められています。
今週の総括
9月16日という同じ日に、Anthropic・OpenAI・Google DeepMind・xAIから発表が立て続けに重なったのが今週の特徴です。Xでも各社の発表が同日に集中したことへの反応が目立ちました。業務効率化でAIツールを使っている個人事業主・小規模事業者にとっては、資料作成(Anthropic)と電話対応(ElevenLabs)の両方で選択肢が広がった週といえます。



